セレーヌ

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とある牧場の一角。
繁殖牧場であるここでは、いつものように種付けが行われようとしてたのですが、
どうも様子が違っていました。

『ドウドウドウ、ホーラ、ホーラ。』
付き添いの人間達の声がかかる。しかし、種馬である牡馬はガンとして動こうとしない。
さらに発情を促す薬を打ったにもかかわらず、そのペニスは体内に引っ込んだままでした。

「はぁ」
牝馬はため息をつきました。もうずいぶんじっとして、牡馬が仕事をするのを待っていたのです。
彼牝の名はセレーヌ。既に何頭も子供を産んでいるベテランの肌馬でした。
「まったくもぅ、いい加減にしてほしいわ。」
セレーヌは後ろを伺いつつ、つぶやきました。
牡馬は、引っ張る人間に対して、必死で抵抗を続けていました。
「イヤ、イヤッ。やめてぇ〜。」
牡馬は情けない声を上げていました。セレーヌは前を向いてブツブツ…
「私のどこが気に入らないってのよ…。」
『ほら、こんなに美馬、他にはいないぞ。』
その時、横に立っていた人間が突然、セレーヌのお尻をペタンと叩きました。
「ちょっと、気やすく触らないでよっ。」
セレーヌはカッと振り向いて、その失礼な人間に文句を言いました。
そのとたん、何を勘違いしたのか、
「キャーッ、恐いよーっ。」
牡馬が驚き、周りの人間を吹き飛ばして、あっという間に逃げていきました。
「な、何よあの態度…。」
セレーヌは唖然として牡馬が逃げていったほうを眺めました。
『あ〜あ、やっぱりダメか。あの馬の女嫌いにも困ったもんだなぁ。』
横にいた人間が、頭を掻きつつ漏らしました。
「へぇ、牝嫌いなんだ。ふぅん…。」

その夜。
フーッ、フーッ。牡馬の馬房から荒い鼻息が聞こえてきていた。
牡馬の股間からはペニスが伸びていて、それをペタペタと自分の腹に打ちつけている。
昼間打たれた薬が効いていて、我慢ができずオナニーを続けているのでした。
牡馬は目をつぶり、じっと集中して快感を楽しんでいる。
「ふーん、インポって訳じゃないんだ。」
突然した声に驚いて、目を開けると、目の前に昼間の牝馬が立っていた。
「わ、わわわっ。」
牡馬は驚いて、厩の一番後ろまで飛びずさりました。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない…。」
セレーヌは眉をしかめてつぶやきました。
「あ、あなたは昼間の牝馬さん。どうしてこんな所に?」
「牝馬さんって…、私にはセレーヌって名前があるのよ。」
「あ、すいません、セレーヌさん。」
「まぁいいわ、で、あなたの名前は?」
「え?あぁ、僕ですか? 僕の名前はパワーマックスです。」
「マックスちゃんね。へぇ、名前だけじゃなくて立派なモノも持ってるんじゃない。」
「え?」
セレーヌの視線の先に気づきうろたえるマックス。そこにはブラブラと揺れるペニスがあった。
「あわわわ、ひ、昼間の薬のせいです。そ、そんな事より何の用なんですかっ。」
「あら、心配しなくていいのよ。あなたも準備ができてるみたいだし。」
「へ? 準備ができてる? 何のです?」
セレーヌはそれに答えず、馬栓棒を器用に外すとマックスの厩に入ってきた。
「ちょっと、一体何を…。」
マックスはセレーヌに触れないように隅に身体を置いて言った。
すると、セレーヌは体の向きを変え、マックスにその大きなお尻を向けました。
そして、尻尾を上げて、ヴァギナを見せました。
その陰唇はパクパク開いて、鮮やかなピンク色が覗き、
そこからポタポタと発情の印の愛液が垂れていました。
「ほら、私の方も準備出来てるのよ。さあ、のっかんなさい。」
セレーヌが振り向くと、そこには厩の隅で小さくなって震えるマックスがいました。
セレーヌは目を丸くして、
「な、どうしたっていうの? そんなに怖がらなくてもいいじゃない。」
マックスは答えない。セレーヌは振り返り、近づいた。
「ねぇ、大丈夫?」
「イヤッ、そばに寄らないで。」
マックスは目も合わせずにいった。
さっきまでそそり立っていたペニスも縮こまり、体内の中に隠れてしまっていた。
「なにさ、そんなに私が嫌いって言うわけ? 確かに私は若くはないけどさ、
そこまで嫌われるとは思ってなかったわよ。」
マックスはまだ震えていた。
「ふぅ…。ハイハイ、わかりました。オバサンはもう帰りますよ。」
セレーヌは少し悲しい目をして、
「そんなに、怖がるとは思ってなかったの。悪かったわ。」
その言葉にマックスが目を上げると、セレーヌは厩から出ていこうとしている所だった。
「待ってください。違うんです。」

最初の交配の時、その事件は起こった。
種馬として牧場に帰ってきたマックスは焦りすぎていたのだ。
そして、若い彼は相手の準備が整う前に、立ち上がり、無理にのしかかろうとしました。
その結果、相手の牝馬(セレーヌと同じく出産経験豊富な牝馬だった)は驚き、
彼に強烈な後ろ蹴りをお見舞いしたのだった。
それ以来、マックスはすっかり女性不信に陥り、牝馬のヴァギナを見るだけで、
萎縮するようになってしまった。

「なるほどね…、そういう事。」
「すいません。」
「いいのよ、あなたが謝る事じゃないわ。」
その蹴られたという跡を眺めつつ、
「私も大人げなかったわ。それに、同じオバチャンじゃね…、怖くもなるさ。」
「いえ、そんな、そんな事はありません。あなたは美しいですし…、」
マックスは顔を赤くして、
「それに、優しいです。」
「ありがと、お世辞でも嬉しいわ。」
「いえ、お世辞なんかじゃありません。こんな話をバカにせずに聞いてくれてたし、
さっきだって、あなたの事を思い出して・・・、あっ。」
マックスは言い過ぎたという顔をして、口をつぐんだ。
「さっきって?」
セレーヌは、ここに入ってきた時にマックスがやっていた事を思い出した。
「あ、いやだ。」
マックスは顔を赤くし目をそらした。セレーヌはその様子を見ると、くすっと笑って、
耳元で囁いた。
「す・け・べ。」
マックスはますます顔が赤くなって、下を向く。

セレーヌはマックスが立っている馬房の中に入っていった、そして、そっと体を寄せた。
マックスはハッと顔を上げて、身を引こうとする。
「動かないで。そのまま、じっとしているのよ。」
声をかけられてマックスは動きを止めた。セレーヌは身体をさらに密着させた。
あたたかい。肌のぬくもりが心地よく感じられた。
マックスも緊張していたが、だんだんとリラックスしていった。
すると、マックスは股間に何かが触れるのを感じて、ビクッと身体をこわばらせ、
後ろを振り向こうとした。
「じっとしてなさいと言ったでしょ。」
動きがピタッと止まる。横目で見ると、セレーヌが首を下げているのが見える。
「セ、セレーヌさん、何をしてるんですか? ねぇ?」
セレーヌはそれには答えず、さらに首を下げ、そしてマックスの睾丸をペロンと舐め上げた。
「あっ、や、やめて下さい。」
しかし、言葉と違いマックスは一歩も動けなかった。
セレーヌはそれを確認すると、あらためてペロペロと舐め始めた。
マックスの息が段々荒くなり、徐々にペニスが体の中から出てきました。
セレーヌは伸びてくるペニスに合わせて舌をはわせ、唇で優しく愛撫した。
(はぁ、セレーヌさんが、僕のペニスを舐めているんだ。)
マックスは想像が現実になった事に悦びを感じ、目をつぶり、ペニスに神経を集中して、
その快感を味わっていました。
ペニスはなおも堅さを増し、ついには自分の腹を打つまでにそそり立ちました。
「ねぇ、私にもしてくれない?」
セレーヌは上気した顔を上げて、言いました。
「え…。僕が…?。」
「ええ、私のアソコを舐めて。大丈夫、怖くないわ。」
横を向くとそこには、セレーヌのたわわなお尻がある。
「ねぇ。」
セレーヌはねだるようにお尻を揺らす。
「で、でも。」
マックスは躊躇していた。それを見てセレーヌはクスリと笑い、頭を下げると
マックスのペニスをペロンと舐めて言った。
「お願い、私にも。ね。」
「はぁぁ。は、はい。」
マックスは言われるままに、セレーヌのお尻に顔を近づけ、アソコを覗き込んだ。
そこには、愛液があふれ出し、濡れて光っているヴァギナがあった。
そして、時折その割れ目が開き、鮮やかなピンク色の中身がのぞいていた。
マックスはそれを見て、思わず怖じ気づき顔を引こうとした。
しかし、セレーヌがペニスを丹念に舐め、愛撫しているのを感じ、
もう一度覗き込んだ。そこには、ヒクヒクとウインクしているヴァギナがあった。
マックスは目をつぶり、意を決して、ゆっくり顔を近づける。
くちゅっ、と音がして唇がヴァギナに触れる。
「あぁんっ。」
セレーヌが声を上げた。マックスはその声にハッとして、目を開けてしまった。
その目の前にはパックリと口を開けたヴァギナがあり、マックスはそこから目が離せなくなってしまった。
すると、セレーヌが舐めていたペニスは見る見るうちに力をなくし、ダランと垂れてしまった。
セレーヌは何事が起こったのかと、後ろを振り向くと、マックスがじーっとセレーヌのアソコを
凝視していた。
「いやぁね。あんまりじっと見ないでよ。」
マックスの反応がない。固まったままだ。
「ちょっと、どうしたの?」
身体を揺らして、どんと身体に当てた。マックスはハッっとして、
「わぁっ」
正気にもどったようだ。
「どうしたの?」
「・・・・・・ごめんなさい。」
マックスはうなだれて、申し訳なさそうにつぶやいた。

「ふぅ、無理言ってわるかったわ。やっぱり、いきなりきつかったかな・・・。」
「ごめんなさい。僕、僕・・・。」
「いいのよ、私も急ぎすぎたわ。」
セレーヌは謝るマックスに優しく声をかけた。そして、
「まぁ、いいわ。それじゃあ、あなただけでも、やっちゃいますか。」
「え? どういう事ですか?」
「こういう事っ。」
セレーヌはパッと頭を下げて、しぼみかけたペニスをペロペロを舐め始めた。
「あ、あっ。」
マックスは突然の事に、激しい反応を示し、そのペニスはあっという間に元の堅さを取り戻した。
セレーヌはなおも舐め続ける。先ほどとは比べ物にならないほど激しく、そして優しく。
マックスの腰も知らず知らずに動き始めていた。ペニスの先からはベトベトした物が漏れ始めた。
そして、セレーヌは首をさらにマックスの腹の下に入れて、ペニスを先端からくわえた。
「あ、あっ。」
マックスからは快感の声が漏れ、腰の動きも段々と激しくなっていった。
大きな舌を全部使い、ペニスを包み込むように動かし、または先端をチロチロと刺激する。
同時に唇でペニスの雁首を優しく甘噛みをした。
「あ、あぁっ、いきます。あぁ、セレーヌさん、ああっ。」
ビクビクッ。ペニスが大きく痙攣すると、勢いよく精液が発射された。
セレーヌの口の中にたっぷりと…。
セレーヌはそれを全部の飲み干そうとしたが、若い牡のそれはすべて受け止められる量ではなく、
セレーヌの口の端から溢れ出した。
「はぁ、凄い量。飲みきれないわ。」
マックスは、ハァハァと息を荒くして立っていた。

セレーヌは後ろに下がり、マックスの馬房から出た。
「よかったでしょ?」
マックスはまた顔を赤くして、頭を下げた。
その様子を見ると、セレーヌは優しく微笑んで、その額に優しく唇をよせた。
「また明日ね。」
セレーヌはそう言うと振り返り、厩から出ていこうとした。

マックスは顔を上げた。そこには立ち去ろうとしているセレーヌがいた。
心臓の鼓動が早くなる。
「いやだ…、セレーヌさん、行かないでっ。」
思わず後を追いかける。セレーヌはその声と足音に振り向いた。
すると、マックスが立ち上がり、セレーヌの上にのしかかろうとするところだった。
その目は血走って、股間のペニスはギンギンにそそり立っていた。
「ちょっ、ちょっと待ちなさい。」
セレーヌは焦りの言葉を上げた。
しかし、マックスの動きは止まらない。どしんとセレーヌにのしかかった。
「ちょっと、や、やめなさいってば。」
「好きなんです。本当に好きなんです。」
「わ、わかったわ。わかったら、少し待ちなさい。」
腰を押し進めるマックスから、セレーヌはお尻をひねって逃げようとする。
「待てません。逃げないで。」
そう言うと、マックスはセレーヌの首筋に噛みついた。ペニスはセレーヌの尻を探っていた。
「痛い、離してお願い。」
セレーヌは首を振って嫌がるが、マックスは離さない。
そして、ついにペニスがヴァギナを探し当てた。
マックスは噛んでいた口を離した、セレーヌはほっとしてマックスを抜いた。その時
「いきます。」
「えっ、待って。あぁ。」
ペニスがヴァギナを貫き、ズブズブとその中に飲み込まれていく。
「あっ、あぁ、あぁ…。」
2頭から同時に喘ぎ声が漏れる。
「あぁ、あったかい。セレーヌさん、気持ちいい。」
激しく腰を動かす。長大なペニスが、セレーヌの中に奥の奥まで差し入れられる。
「あ、あっ、あん、あんっ。突いて、突いてっ、もっと奥までぇ。」
「は、はい、はぁ、はぁ。」
言われるままに、さらに奥まで突き入れる。
「はぁ、はぁ、いいですか? いいですか?」
「いいわ、いいわ。もっと、もっとぉ。」
セレーヌもペニスを少しでも奥深く感じようと腰を動かした。
セレーヌの愛液は次から次へあふれ出し、グチュグチュといやらしい音を立てていた。
「あ、あ、あ、あ、あ。もう、もう、ダメです。いきます、いきますぅ。」
「あぁ、いいわ。きて、きて。奥まで注ぎ込んでぇ。」
マックスのペニスが膨れあがり、そして、セレーヌの膣の中に勢いよく発射した。
マックスの精液はセレーヌ子宮の奥のまで一気に届き、セレーヌもそれと同時に
エクスタシーに達した。
マックスのペニスからは、まだビクビクと精液が出ていて、セレーヌのヴァギナから
溢れだし、下にボタボタ垂れていた。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
2頭は余韻を楽しむように、ペニスをヴァギナに差し入れたまま、しばらくじっとしていた。

マックスがセレーヌの上から降りると、セレーヌはその場に座り込んでしまった。
マックスは驚き、心配そうに首を寄せて、
「あの、大丈夫ですか?」
「ええ、ちょっと疲れただけ。大丈夫よ。」
セレーヌは息を吐き、頭を上げて言った。
「よかった・・・。」
「でも、突然なんだもの。一体どうしたっていうの?」
「あ、ごめんなさい。」
「謝らなくてもいいのよ。でも、あなた牝嫌いだったんじゃないの?」
「は、はい。そうです…、そうだったんです。でも、あなたが立ち去ろうとしたのを
見たとき、自分でもどうなったのか…。」
言葉を切って、セレーヌを見つめる。
「やっぱり、あなたは特別です。他の牝馬とは違う。優しいし、それに綺麗だ。
僕、こんな気持ち初めてなんです。あなたを愛しています。」
セレーヌはその言葉を聞いて驚き、そして立ち上がりました。
「ありがとう、そこまで言ってくれるなんて、嬉しいわ。」
セレーヌは少し悲しい顔を浮かべましたが、すぐににっこりして、
「じゃあ、私は帰るわ。また明日ね。おやすみ。」
そう言うと、セレーヌはサッと飛び出して行きました。

次の日。
セレーヌとマックスは人間に引き出されて、再度交配を試みました。
人間達の不安をよそにマックスは自分からのしかかかり、無事種付けを終える事ができました。
「これで、牝嫌いも治ったでしょう。もう心配いらないわね?」
セレーヌは顔を伏せ言う。マックスは不安になって、聞き返しました。
「どういうことですか? まるで、別れるようなこと・・・。」
「私は自分の牧場に帰るのよ。」
「そんなっ。そんなのないよ。帰っちゃイヤだ。僕にはあなたが必要なんです。」
セレーヌは首を振って、
「もうあなたは一人前の牡よ。私がいなくても、もう大丈夫。」
「だめだ、だめだ。行かないでください。」
「さようなら、元気でね。」
セレーヌは他の人間に引かれ、出ていく。
「行かないでっ。」
マックスは追いかけようとするが、人間に押さえつけられる。
セレーヌは立ち止まって振り返り、
「さようなら、そのうちまた会える時もきっと来るわ。あなたの仕事は大事なもの
なんだから、頑張りなさい。」
じっと見つめているマックス。
「私もあなたの事嫌いじゃなかったわ。」
そして、悲しい嘶きがあたりに響いた。

その後、あの種馬はいっそう牝嫌いが激しくなって、交配ができない。と人間が噂していた。
そして、セレーヌは可愛い子馬を産んだ。父親に似ておとなしい子馬だった。

次の年。また交配の季節がやってきた。
セレーヌは馬運車に乗せられて、種馬の待つ牧場へ。今年は息子も一緒だった。
牧場に着いたセレーヌは何か懐かしい物を感じた。
そう、あの種馬、マックスがいる牧場だったのだ。
遠くから蹄の音が近づいてくるのが聞こえる。
見ると、一頭の馬が駆けてきていた。言うまでもなくマックスだった。
マックスはセレーヌの前で止まった。
そして、涙を潤ませながら、驚くセレーヌの首に自分の首を絡ませて喜びを表した。
「あなたなの? 私の相手って?」
マックスはパッと離れて、嬉しそうな顔をして、
「もちろん、そうだよ。それ以外考えられないじゃないか。」
「でも、あなた、また牝嫌いになったって・・・。」
「え? あ、あれは違うよ。牝嫌いなんかじゃないんだ。その・・・、」
「牝嫌いじゃない? じゃあ、どうして交配できないなんて噂が?」
「それは本当だよ。僕はずっと交尾なんてしてないもの。」
「?? どういうこと? さっぱりわからないわ。」
顔を赤くしてマックスは
「嫌だったんだよ。その・・・、あなた以外の牝なんて。」
今度は、セレーヌが赤くなって
「バ、バカじゃないの? じゃあ、私が来るまで待ってるつもりだったとでもいうの?」
「それに他の牝馬としなかったら、人間があなたがを連れてきてくれるんじゃないかと思って。
だって、唯一僕ができた牝だから。」
セレーヌはため息をついて、
「あきれた。ホントにもう。」
その時、何かがセレーヌの後足に触れた。振り向くと子馬が様子を伺っていた。
「あぁ、ごめんね。この牡(ひと)があなたのお父さんよ。」
「お父さん?」
子馬はよく分かってないらしく、首を傾げるばかりだった。
「お父さん? 僕が? と言う事は、もしかして?」
マックスは驚き、期待の目をセレーヌに向けた。
「そう、あなたの子供よ。わからない? そっくりじゃない。」
「そうか、僕の子供・・・。」
すると、マックスはニカッと子馬に笑いかけました。

そこに、マックスを逃がした人間がやっと追いついてきて、連れ戻そうとしました。
マックスはおとなしく人間に従いましたが、途中で振り返り、
「また後でね。」
そして、子馬に向かって
「待ってろよ。兄弟をつくってあげるから。」
子馬は不思議そうな顔をして聞きました。
「兄弟?」
セレーヌは顔を真っ赤にして、
「あの、バカ。」
しかし、すぐに笑いがこみ上げてきた。
「クスクス。あなたのお父さん、最高よ。」
セレーヌは子馬に笑いかけました。

fin.